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ニュートリバント・プラスの発売について
弊社は1999年より養液栽培用肥料(単肥)をヨーロッパ、イスラエル、南米、中国などから輸入し、販売してまいりました。
同時に海外の液肥使用についての技術情報を得てきましたが、ある時、イスラエルの葉面散布についての技術資料を入手しました。そこには野菜、果樹のみでなく、穀物を含めたほとんどの作物について、増収や品質向上をもたらす試験結果やノウハウが記されていました。「稲に葉面散布?」省力化の一方向を向いているかのような日本の稲作技術事情からは、それは新鮮に思える情報でした。
そして、イスラエルではさらに進化した最新の葉面散布専用肥料が開発されていることを知り、このニュートリバント・プラスに辿り着いたのです。さらにロシア等で大規模に使用され始めており、環境に負荷をかけることなく、しかも低コストで「緑の革命」以来の増収を果たしていることも!
日本の代表的作物である稲専用に開発された製品があることを知り、早速、サンプルを取り寄せ、担当者の圃場のコシヒカリで1回の試験散布をしてみました。その結果は驚異的、とまではいきませんが、十分に手応えを感じさせるものでした。籾すりを終えての実感は、稲専用の「プラス・ライス」を散布したコシヒカリは、散布していないものに比べ、明らかに屑米が少ない。さらにその中の中米比率が高く、リン酸・カリが粒厚に効いていることを実感させました。
もちろん増収効果もあるようで、倒伏してしまった圃場でも8俵を超え、この地域の平均を上回りました。ちなみにこの「プラス・ライス」は窒素成分がゼロのため、これ自体による倒伏のリスクはほとんど無いと思われます。以下にその試験結果を掲載します。


そして、いもち病への抵抗性が付くということでしたが、いもち病の発生は皆無では無いものの、極少でした(いもち剤と混用して散布)。ちなみにこの米の検査結果は全て1等でした。
さらにニュートリバント・プラスについて調べると、この製品には肥料成分を効率的に浸透させる「ファーティバント」と呼ばれる技術が使われていることを知りました。これはイスラエル建国者の名を冠したベン・グリオン大学でイスラエルと米国の科学者によって長年の研究の末開発されたもので、国際学会で発表されて以降、先進的な肥料メーカーを中心に注目されているとのことでした。
「ファーティバント」は従来の葉面散布と比較し、養分の浸透効率が2倍以上であり、しかも肥効の速効性と持続性を両立している点が、葉面散布のブレイクスルーとして認識されているそうです。

@ABC:葉面散布された養液の浸透過程
左:従来の葉面散布(ワックスとクチクラ層により、成分量の半分も吸収出来ない)
右:ファーティバント(葉の表面組織に肥料成分を固定し、細胞間を分け入るようにして浸透)
これは本物であるとの予感を感じさせ、内外の関係者に紹介しましたが、多くの反応は「一発肥料の時代に何故手間をかけて葉面散布をする必要があるのか?」というニュアンスのものでした。しかし一部の生産者、しかも100ha規模の大規模生産者の方数名から反響を頂き、「麦用はないのか?」「大豆用が欲しい」との要望を頂きました。こうした経緯を経て、半ば手探りながら発売を決定しました。
その後メーカーに相談し、小麦を含む穀物用の「プラス・シリアル」のサンプルを送ってもらい、大豆用は日本向けに新たに生産するとの有難い回答を頂きました。この作物別に専用設計するという発想も新鮮で、高度な技術的バックボーンが無ければ不可能な話です。当然大豆の試験データもあり、散布マニュアルまで整備されておりました。
余談ですが、つい先頃もイスラエルの別の技術資料で、ほとんどの作物について、収量がピークとなる、1日単位で分けたステージごとに異なる肥料設計のデータを拝見し、さすが液肥技術では世界No.1といわれるだけのことはあると感嘆しました。
早速届いた「プラス・シリアル」をご希望された大規模生産者と担当者の小麦圃場でテストを開始しました。イスラエルのメーカーから、「小麦は窒素を多量に必要とするため、尿素を添加しなさい」とのアドバイスをいただき、施肥計画を立てました。
ちなみに肥料価格はリン酸・カリは限られた地域から採掘される天然資源に頼っており、長期的にみるとひっ迫するもののため高価ですが、窒素は安価に生産可能なため運賃を考慮すると現地調達して配合するのが賢い使用方法と思われます。
ニュートリバント・プラス散布養液の濃度は標準1%ですが、この濃度でEC(電気伝導度)を測定すると約10(dS/m)あり、従来の葉面散布肥料から考えると驚くべき濃さです。ちなみに添加する尿素もとんでもない濃度で溶かします。国内メーカーなら絶対やめろと言われそう・・・。一応、あちらの資料にも「高すぎるECは危険」と記されておりますが、実際には3%程度の濃度まで使用されているそうで、一体イスラエルで言う高ECとはいくつのことを言うのか?葉焼けテストを兼ねて部分散布を行った結果が下の写真です。ちなみに悪戯でトマトに余ったプラス・シリアル1%+尿素6%を部分散布したところ散布した部分だけ見事に枯れました・・。
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