東海物産株式会社

収量・品質向上を実現するグロダンロックウールの栽培管理(後編)


グロダン水分計によるスラブ測定

 

 

 




グロダン水分計のディスプレイ

 

 

 


季節と日射量による水分管理
(カタログより抜粋)
 

 


 

 



グロダン水分計を使用した
栽培管理方法の概要について前回紹介しました。
今回はさらに具体的な使いこなしについて掲載します。

6)グロダン水分計を使いこなす

グロダン水分計はグロダンスラブ特有の繊維形態をインプットした専用の計測器で、
正確な測定を行うためには、「スラブコード」を入力する必要があります。

製品は14タイプのスラブコードが設定出来るようになっていますが、
当社が輸入しているタイプについては以下の数値を入力します。

クラシック(多年用) 216
マスター(多年用)  423
タレント(多年用) 209

 それでは実際にグロダン水分計を活用するポイントを説明しましょう。
下のグラフは、1日のスラブの水分変化の一例を表したものです。
黒を標準的な灌液設定と仮定します。灌液開始直前の水分と
蒸散ピーク時の水分を測定し、この差(以下αと表記)を
6~8%となるように灌液設定します。

作物の生育を観察しながら、栄養生長を促進すべきと判断した
場合、青い矢印方向に灌液設定し、αを4~6%に小さくします。

反対に生殖生長を促進すべきと判断した場合、赤い矢印方向に
灌液設定し、αを10~15%に大きくします。

注意すべき点は、植物は夜間も水分を吸収しているということです。
αを小さくする場合に、夜間水分が高すぎるすぎると裂果などの原因となりやすく、
また、αを大きくする場合に、灌液開始直前の水分が40%以下に下がると、
通常の点滴灌液では水分を上昇させることが出来なくなりますので
適宜、水分の測定が必要です。




次のグラフは、灌液方法による、最大水分量の操作を表したものです。
青い矢印は少量多頻度、赤い矢印は多量少頻度の灌液操作です。

これらの操作を繰り返すことにより、季節やステージによって水分量を
変化させていきます。作物にもよりますが、春~夏期には70~75%、
秋~冬期には50~60%程度を目標とします。

夜間水分については前記と同様に注意が必要です。


次に考慮しなければならない問題が、以上の操作時に伴うスラブ内のEC変化です。
グロダン水分計はスラブ内ECも同時に測定しますので、統括的な管理が可能です。

スラブ内のECを維持させるのか、上昇させるのか、下降させるのかを判断し、
以下の処置を複合的に組み合わせ、目標値へと導きます。

まず、廃液量によってスラブ内ECコントロールする方法で、
廃液増でEC下降、廃液減でEC上昇効果があります。
次に灌液のECを変化させる方法で、コントローラのEC設定を変えます。

7)総括

以上、水分計を利用した灌液操作について説明しましたが、
同時に室温・湿度によるコントロールも必要なのは言うまでもありません。又、
この技術は収量・品質の向上や管理労力の軽減の他に、水や肥料を節減出来る事も
大きなメリットであり、環境に優しく、低コスト化にもつながる技術であるといえます。

これらの技術は完成形ではなく、現在も研究とテストが続けられています。
当社の調査によると、グロダン・グループの2000年の栽培指導内容は、
さらに詳細かつ、攻撃的なものになっており、ヨーロッパの多くの生産者が、
有償であるこれらの指導を受けて、収量・品質の向上を果たしています。

彼らはロックウール栽培の可能性はまだまだ大きなものと捉えているようです。
ヨーロッパでもヤシがら・パーライト・ウレタンなどの新培地が脚光を浴びましたが、
数年経ても趨勢と呼べるようなシェアを獲得するには至っておらず、リサイクル問題
が解決されるに従い、ロックウールの圧倒的シェアは不動なものとなっています。
無論、グロダンがそのトップコンテンダーであることは誰しもが認めるところです。

着実に進歩を続けるヨーロッパに対して、日本の生産現場はどうでしょうか?
収量ひとつを例にあげても、残念ながら停滞状態とも言えるのが現実では
ないでしょうか。グロダン・グループの技術者が我々に残してくれた
次のメッセージが重要なコンセプトとして参考になると思います。

壁を見て引き返すか、壁の向こうの世界を見るか(意訳)


技術情報へ


Copyright(C) 2000-2010 Tokaibussan Co.,Ltd.All Rights Reserved