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イチゴに発生する重要な病害虫としては、ハダニ類、アブラムシ類、コナジラミ類、アザミウマ類等の微小害虫、ハスモンヨトウやオオタバコガ等のチョウ目害虫、うどんこ病、灰色かび病等の病害がある。これらの病害虫が発生した時どのような天敵や薬剤が利用できるのかを簡単に判るように病害虫毎に天敵と薬剤を示した。
アザミウマ(スリッップス)類の対策
アザミウマ類の解説
ミカンキイロアザミウマ、ヒラズハナアザミウマなどが寄生する。成虫は主に花に寄生し、組織中に産卵する。孵化した幼虫は果実の表面を食害し、やがて株元付近の土中で蛹になる。卵から成虫までの発育期間は25℃では12日と短い。
多発すると果実が黄化、褐変し光沢がなくなる。定植後に周囲から飛来した成虫が発生源になるので、周辺の発生源の除去に努めるとともに、飛来防止のため開口部にネット(1mm目合い)を張る。秋に侵入した成虫から徐々に増殖し、春になって気温の上昇とともに多発するので、粘着板を設置して発生状況を把握する。
生物的防除
タイリクヒメハナカメムシ;土着のヒメハナカメムシで、アザミウマの成・幼虫を捕食する他、ハダニ、アブラムシ等も捕食する。太い口吻を害虫の体に突き刺し、体液を吸収して殺す。適温では卵から成虫まで約2週間で発育する。何でも攻撃し、餌不足の時はチリカブリダニも攻撃する。商品名;オリスターA(100頭入り)、タイリク(250頭入り)。
ククメリスカブリダニ;アザミウマを捕食するカブリダニで、主として幼虫を捕食する。待ち伏せ型の天敵なので、害虫密度が低い時期に予防的に導入するのがよい。商品名;ククメリス、メリトップ。500mlボトルに50,000頭が入っており、一振り約100頭を株毎に放飼する。
デジェネランスカブリダニ;本種もアザミウマを捕食するカブリダニ。おわんをかぶせたような特異な形態をしたやや大型のカブリダニ。商品名;スリパンス
アリガタシマアザミウマ;アザミウマを捕食する天敵アザミウマ。商品名;アリガタ
化学的防除
マッチ乳剤;キチン合成阻害剤、ミカンキイロアザミウマとオオタバコガ等に効果がある。
ほとんどの天敵類に影響がないが、ハナカメムシ類には悪影響がある。
カスケード乳剤;キチン合成阻害のIGR剤で、ミカンキイロアザミウマの他、オオタバコガ、ハダニ類等に活性がある。やや遅効的であるが残効はある。天敵への影響は少ないがハナカメムシ、クサカゲロウには悪影響がある。マルハナバチへの影響は2日程度。
アタブロン乳剤;キチン合成阻害のIGR剤で、ミカンキイロアザミウマ、ハスモンヨトウに登録がある。ハナカメムシ類以外の天敵にはほとんど悪影響はない。マルハナバチへの影響は4日程度。
物理的防除
ネット、粘着資材《バグスキャン、バグスキャンロール》
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管理上の注意点 |
・育苗期の管理;病害虫の発生源の多くは苗に付着して本圃に持ち込まれることが多いので育苗期は防除を徹底し、健全苗の定植に心がける。また、定植後ビニール被覆までに間がある場合はアブラムシ等の飛来に対処するため、粒剤の植穴処理を行う。
・病害虫の発生状況の把握;生物農薬は害虫の発生初期に導入する必要があるので、発生状況を把握する。コナジラミ、アザミウマは黄色粘着板、ハダニ、アブラムシは週一回の30枚の葉裏調査、収穫時の監視などによって、病害虫の発生に注意を払う。
・化学薬剤の選択;授粉用にマルハナバチまたはミツバチを利用することを前提に、蜂や天敵に影響の無い薬剤を選んだ。多少でも影響がある薬剤は、その日数等を記した。
・生物農薬導入後の管理;害虫数と天敵の定着、増殖等に注意を払い、害虫の発生が押さえ切れないと判断された場合は化学薬剤を散布する。その後も天敵が活躍できるような薬剤を選んだ。状況に応じて、部分的薬剤散布や部分的天敵放飼を行う。
・物理的防除;害虫の侵入発生を防ぐため、防虫ネット(ハダニ以外の害虫)、黄色灯(ハスモンヨトウ、オオタバコガ等)などもできるだけ取り入れる。 |
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