収量・品質向上を実現するグロダンロックウールの栽培管理(前編)

  


「ガラスの海」と呼ばれる温室群

 

 

 

 


市場に出荷されたトマト

 

 

 

 


定植直前のスラブ

  

1)栽培成果を決定する要因

栽培成果を向上させるための要因には、日射量・気温などの自然条件的なものと、
栽培管理作業や根圏管理など、人為条件的なものがあります。

このうち、日射量・気温、あるいは炭酸ガスの環境条件の改善は、
最新の温室施設や設備の導入など、比較的大きな投資が必要となります。

今回より、グロダンの持つ栽培ソフトをヒントに、大きなコスト増を伴わずに
実践できる収量や品質の向上策として、根圏管理を中心にグロダンユーザー
にとって栽培成果向上のキッカケとなるような管理方法を紹介します。


2)オランダにおける収量向上の変遷

施設園芸の先進地、オランダでは新しい技術が導入されるたびに、
トマト・パプリカなどの果菜類では面積あたりの収量を大幅に向上させてきました。
そして近年、オランダの施設園芸がまた収量を向上させています。
それらの中には日本で栽培を営むグロダンユーザーにも参考になるような
ヒントが数多く隠されているはずです。

1970年代、オランダの施設園芸は、木製の温室に土耕栽培という形態でした。
この当時、トマトの収量は10アール当たり15〜20トンでした。

1980年代に入ると、グロダンによるロックウール養液栽培が導入され、
同時に温室も陰の少ない、アルミ製のフェンロー温室が中心になってきました。
この時代、トマトの収量は10アール当たり30〜40トンと大幅に向上しました。

1990年代には、炭酸ガスの施用技術が普及し、トマトの収量は10アール
当たり40トンを越え、50トンへ達する事例も珍しくなくなりました。
温室もより軒高の高いタイプが中心になり、通路は光反射率の高い
白マルチで覆われています。

これらの施設は、1970年代の木製温室と比較すると、温室内の日射量は
30%以上向上していると言われています。元々曇りがちで、
日照量の少ないオランダでは、この温室内への光線を重要視しており、
日射量を1%向上させることは、収量を1%向上させることと同義語
であると言われているそうです。

そして1990年代末頃になっても収量の向上は停滞していません。
優良な事例ではトマトの収量が10アール当たり70トン近くまで達しています。
光や炭酸ガスの施用技術も向上しているようですが、新たに根圏の
制御技術が導入されています。


3)廃液の意味

ロックウール栽培では、灌液量の20〜30%の廃液が必要だと言われています。
ヨーロッパではこの廃液が問題となり、
現在は廃液リサイクルが急ピッチで進められています。

では、栽培においてなぜ廃液が必要なのでしょうか?
培地を洗い流し、塩類集積を防ぐためと
日本では一般的には解釈されているようですが・・・。

グロダンの技術者の回答はこうでした。「全ての株への灌液量は均等ではなく、
室内の温度も均一ではなく、また植物は個体差があり、
全てが同じ大きさの株ではなく、また植物は培養液中の
全ての成分を同時に吸収するわけではないから」だというのです。

彼の地の温室は1棟が数ヘクタールにも及ぶ巨大な空間です。
そこでは、上記のすべての条件の一致というのは実質的に不可能です。

そして、「廃液を20%にするか30%にするかは重要な問題ではない。
重要なのはタイミングだ。」とも。これはどういう意味なのでしょうか?


次回へ続きます


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