東海物産株式会社

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馬鈴薯へのプラス・ポテト散布試験結果

三重県鈴鹿市で秋作のトヨシロとニシユタカを対象にニュートリバント・プラス・ポテト(以下、NVP)の散布試験を行いました。

図1:トヨシロのサイズと10aあたり換算重量
図2:ニシユタカのサイズと10aあたり換算重量

2010年9月20日に植え付けを済ませた後、11月7日に1回目の散布、同月28日に2回目と続け、収穫を12月27日に実施したところ、 散布区が対照区を上回り、トヨシロで121.7%(図1、写真)、ニシユタカ(図2)で126.9%の増収を示しました。

1回目で塊茎数を増やし、2回目でその肥大を進めたことが増収結果につながったと考えられます。

トヨシロの試験区:棒から左が対照区、右が散布区
散布区の葉の密度が高いことがわかる

他作物用のニュートリバント・プラスシリーズの事例と今回のNVPの結果を総合すると、約3週間の肥効によって従来の葉面散布剤の使用適期ほど厳格ではないにせよ、萌芽期~着齋期に1回目、開花期に2回目の散布というジャガイモの生育ステージにおける重要なタイミングを外さないことで、多くのケースで増収が見込めると考えられます。

注意事項としては、NVPの散布前に使用水のpHを確認することがあげられます。
葉面散布ではpHが5.0~6.0のときに最も高い効果が得られますが、一部地域で夏場に井戸水や農業用水を使用する場合にpHが7.0を超えることがあります。
このような場合は、pHを下げることをお勧めします。

ニュートリバント・プラスシリーズは、特定の生育ステージで根からの養分吸収が追いつかず、葉中の養分量が低下した‘‘陰れた欠乏症”(図3)を改善することによって作物本来の能力を引き出し、士壌が過湿、あるいは過乾燥、病害に冒されたときなど、根の活性が衰えた場合にも養水分の吸い上げを促し、生育を回復させます。

養分は細胞間のスペースに分け入り、組織を傷つけることなくクチクラ層を通ってゆっくり吸収され、養分を完全に吸収・固定し、肥効を約3週間持続させた後、分解されます。
このように養分を緩やかに大量に吸収させることを可能にしているのがニュートリバント・プラスシリーズに共通する技術です。

図3:隠れた欠乏症のイメージ

この技術はイスラエル国立ベン・グリオン大学で研究され、特許も取得しています。
2001年に開かれた菓面施肥の国際シンポジウムでの発表以降、それまで障壁となっていた事象を突破した技術として認知され、世界の主たる農業国のさまざまな作物で増収の実績を挙げています。
既存の葉面散布剤と比較しても、必要散布回数が少なく、肥料成分当たりの単価も低いため、低コスト増収に役立つ有効な資材の一つと考えます。