東海物産株式会社

「お客様と共に前進」する環境対応型企業

新世代ポリリン酸肥料Fine-Kトマトの使用方法

ポリリン酸肥料は約10年前にオランダで開発され、果菜類や花卉類においてその発根の良さや樹勢向上効果に、養液栽培史上最大の革命的製品の異名を持つまでになりました。
ヨーロッパで視察を行った関係者にも徐々にその存在が知られるようになり、東海物産でも一部の生産者と数年前より取り組みを進めてきました。

ポリリン酸肥料はその効果の代償として、危険を伴う中和作業や原液のpH・濃度調整の労力を要します。しかし生育改善効果と点滴ノズル等のクリーニング効果はそのデメリットを上回り、導入されたほとんどの生産者からは手放せない存在となっています。
クリーニング効果はカルシウムと結合しないというポリリン酸の特性と強力な洗浄機能によるもので、カルシウムスケールが解消し、作物へのカルシウム吸収率も向上します。

当社では従来液体であった「スーパーFK」を、より取扱いが容易でコストダウンを実現した粉体の「Fine-K(FK)スタンダード」にモデルチェンジし、より多くの生産者がこの肥料で栽培を開始しています。

「Fine-K(FK)スタンダード」の使用には単肥を使用した処方を行う必要があります。
当社でも処方アドバイスを行っておりますが、とりあえず試してみたいという生産者の方向けに一般的な園試処方での濃厚原液配合例を記載します。
※この処方はトマト用の「Fine-Kトマト」を使用しています。

原液作成方法

Aタンク200L
硝酸石灰(2.5水塩)16.5 kg
硝酸カリ5.8 kg
硝酸マグネシウム4.7 kg
キレート鉄アルファ0.7 kg
Bタンク200L
Fine-Kトマト4.4 kg
硝酸38%2.9 L
硝酸カリ5.8 kg
硫酸マグネシウム4.7 kg
モノリン酸アンモニウム0.7 kg
マイクロブレンド2号0.3 kg

Aタンク

従来とおりに作成して下さい。


Bタンク

  1. 原液タンクに水を約20%入れて下さい。
  2. 硝酸を投入して下さい。
  3. Fine-Kトマトを投入し、よく攪拌して下さい。
  4. 水を約50%まで入れて下さい。
  5. pHが2.0以下に降下しているか確認して下さい。
    ※pHが下がっていない場合、硝酸を追加してください。
  6. その他の多量要素肥料を投入して下さい。
  7. 微量要素を加え、水を100%まで入れて下さい。

効果的に使用するための注意点

・希釈した培養液のECは最低1(dS/m)以上とすること。
・作成した濃厚原液は1カ月以内に使用すること。
・「Fine-K」の濃厚原液は7℃以下の低温状態にしないこと。

何かと制約の多い製品ですが、養液栽培の施肥技術で確実な生育向上を目標とする場合、これ以上の製品はありません。

Fine-Kスタンダード