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マルハナバチの生活史

セイヨウオオマルハナバチの初期の巣
セイヨウオオマルハナバチの初期の巣

マルハナバチの多くは北半球に分布しており、1年単位で春夏秋冬にあわせて巣作りを行います。
このような性質を一年制の生活史と呼びます。

マルハナバチの女王蜂は冬の間、地面の下で冬眠して過ごし、春になると、冬眠から目覚めた女王蜂が1匹で巣作りをはじめます。
巣は地面の下のネズミの巣などの廃巣を利用します。
女王蜂が巣作りをはじめてから1ヶ月ほど経過すると、最初の働き蜂が生まれます。
働き蜂は全て小型の雌蜂で、女王蜂の産んだ卵を育てます。

働き蜂は巣から外へ出て訪花し、花粉や蜜を集めて巣に持ち帰ります。
その後、女王蜂は産卵を加速させ、働き蜂の手助けを借りて巣を大きく発達させ、秋が近づくと、女王蜂は雄蜂と大型の雌蜂である新女王蜂を作り出します。

交尾中のセイヨウオオマルハナバチの雄蜂と新女王蜂
交尾中のセイヨウオオマルハナバチの雄蜂(左)と新女王蜂(右)

大型の雌蜂(新女王蜂と呼びます)は巣から外へ出て雄蜂と交尾し、地面の下に潜り込み、翌年の春まで冬眠します。
新女王蜂以外(巣を作った女王蜂、働き蜂、雄蜂)はすべてその年のうちに死亡し、巣は終焉を迎えます。

自然界では地域や種類によって冬眠の長さが異なり、冬の期間が長い高緯度地域では半年以上も冬眠する場合があります。
一方で、南米のブラジルに生息する種類では冬眠期間を必要としない種類も報告されています。
これらの地域では、交尾した新女王蜂が再び巣に戻り、休眠することなく、そのまま産卵をスタートさせて自分の子供を産出することが知られます。
現在、商品化されている種類においても冬眠期間を無くすような工夫が行われていますが実現には至っていません。

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