東海物産株式会社

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マルハナバチとは?

室内飼育により発達させたクロマルハナバチの巣

マルハナバチ(Bumblebee)は、膜翅目(Hymenoptera)、ミツバチ科(Apidae)にマルハナバチ属(Bombus)に属するハチの仲間です。
世界からは約250種が報告されており、日本からは15種(22亜種)が記載されています。
主に北半球のユーラシアの温帯~寒帯地域に生息します。
マルハナバチは北半球だけでなく、南米のブラジルやアルゼンチンなどでも確認されていて、亜熱帯の台湾や東南アジアでは標高の高い山岳地帯からも確認されています。

マルハナバチは1匹の女王蜂と小型の雌蜂の働き蜂、数十~数百匹で構成される巣を作ります。
花を訪れる働き蜂を見かけることは多いですが、巣は地中に作られるので発見は非常に困難です。
世界で250種確認されているマルハナバチのうち商品化されているのは5種類程度で、今でも多くの国で自国のマルハナバチの商品化が研究されています。
種だけでなく生息する地域によっても飼育の簡便さや巣の発達規模にバラつきがあることが知られます。

マルハナバチ類の顔の違い

マルハナバチの特徴は、長いカラフルな体毛を有することです。
また、種によって顔の形が異なり、顔を正面から見たときに、馬面~下駄顔まで変化に富んでいます。
舌の長さの違いは利用できる花の違いと関係しています。
舌の短いマルハナバチはキク科などの蜜源までの距離が短い植物を、舌の長いマルハナバチはトリカブトなどの蜜源までの距離が長い植物を多く利用します。
マルハナバチは他種と競争しなくてよい安定した蜜源を求めて訪花し、花は蜜を提供する代わりに同じ種類の植物に花粉を運んでもらえるよう、長い年月をかけてお互いに形を変えてきたと考えられています。このような花と昆虫の関係を「共進化」と呼びます。

日本では春先のツツジやフジ、シャクナゲなどで沢山の種類の女王バチを見かけますが、巣は主に地中に作られるため発見が困難です。
また、増殖できる種類が限られていることから、マルハナバチの生態情報の大半は、商品として利用されているセイヨウオオマルハナバチのヨーロッパにおける知見に基づいており、日本で利用する場合は、利用現場の環境を考慮に入れ、慎重な観察と調整が必要です。

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