ベンチレーションハイブ
ガター上に設置されたベンチレーションハイブ
マルハナバチは幼虫や蛹を育てるために巣箱内の温度を25℃前後に維持します。
成虫のハチ自体が28℃前後の発熱体となり周辺に熱を放出することで温度を上げ、周辺の温度が高い場合は、翅を羽ばたかせ空気を循環(旋風行動)し気化熱を奪うことで自分の周辺を冷却します。
ベンチレーションシステムは、温められた空気が巣箱の上部に抜けやすくし、複数の巣箱内の働き蜂が一斉に旋風行動を行うことで幼虫近辺の温度を1∼2℃下げることができます。
また、ベンチレーションシステムは温度の低下だけでなく巣箱内の湿度も低下させます。
マルハナバチの巣箱内は高湿度状態になりがちで、巣の発達に悪影響を与えるため、巣箱内から湿度を抜く効果もあります。
サーモグラフィによるベンチレーションの映像
ベン チレーションハイブは、マルハナバチの巣箱への直遮光を当てること無く、空気だけを放出できるように工夫しました。
特殊カメラで撮影するとベンチレーションの間隙が白く撮影されています。
これは巣箱内の気化熱がベンチレーションから放出されていることを示しています。
当社は、この空気動態を利用したベンチレーションシステムを独自で開発しました。
当初は日本のみで利用されていましたが、その後バイオベスト社の標準品として装備されました。
現在ではバイオベスト社により国際特許が取得され、世界各国で競合他社との差別化を図っています。
一方で、ベンチレーションシステムは、万能ではありません。
気化熱による温度低下は巣箱内の温度よりも外気温が低い場合に有効になるため、外気温が32℃を超える状況下では基本的にマルハナバチの利用は推奨していません。
32℃を超える状況下では巣箱に風を直接当てて温度を下げるなど更なる工夫が必要です。